2023/02/18 02:35
ブルガリアのトラキア低地というワイン産地をご存知でしょうか?この地域は古代から有名なワインの産地で、神話や叙事詩的なギリシャ戦争と密接に関係しています。トロイの人々はトラキアからのワインを高く評価していました。
トラキア低地では黒ブドウが主流で、今回はブルガリア固有の黒ブドウの品種であるマヴルッドとルビンに注目したいと思います。
これらの品種から作られるワインは、トラキア低地のPGI(原産地名称保護)に認定されています。
マヴルッドはブルガリア原産の濃い色のブドウ品種で古代からある品種です。
この品種の正確な起源は、ブルガリア南部の西トラキア渓谷にあるアセノフグラードという産地とされています。
ブルガリアでは最も古くて優れた黒ブドウ品種の一つとして認められています。
マヴルッドから作られるワインは色が濃くてタンニンと酸味が豊富で、口蓋にフルーツの風味が感じられます。
食事と合わせる場合は、肉料理やチーズなど濃厚な味わいのものがおすすめです。
ルビンはシラーとネッビオーロの交雑種で、1944年にブルガリアのプレヴェンにあるブドウ栽培と醸造の研究所で作られました。
しかし、この品種が広く栽培されるようになったのは1950年代末からで、主にプロヴディフ地域を中心に、後には全国的に広がりました。
ルビンは中央ヨーロッパのモルドバやルーマニア、スロベニアでも栽培されていますが、ブルガリア固有の品種として認められています。
ルビンから作られるワインは色が明るくて果実味が豊かです。成熟すると、タンニンが滑らかになり、風味が向上し、鮮度が保たれます。
食事と合わせる場合は、鶏肉や魚などあっさりした味わいのものがおすすめです。
マヴルッドとルビンは、ブルガリアのワイン文化を代表する品種です。トラキア低地で栽培されたぶどうから作られるワインは、古代から現代まで変わらない品質と個性を持っています。
トラキア低地のワインに興味がある方は、ぜひ試してみてください。ブルガリアの歴史と風土を感じることができるでしょう。